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まちぐゎー生きたアイドル猫「たけし」 面影しのびファン有志が写真展 23、24日 沖縄・那覇


まちぐゎー生きたアイドル猫「たけし」 面影しのびファン有志が写真展 23、24日 沖縄・那覇 まちぐゎーで生きたたけしを通して「さくら猫」の存在を知ってほしいと話す畑井モト子さん=13日、那覇市牧志
この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬

 2月22日は「猫の日」。那覇市牧志の商店街で生き、2023年3月に猫白血病で亡くなった“アイドル猫”たけしの写真展「オレ、たけし」をファン有志が計画している。たけしはまちぐゎーの人々に支えられながら7歳(推定)で「ねこ生」を閉じた。たけしの存在を通して、不妊・去勢手術をした「さくら猫」や飼い主のいない猫について知ってもらい、猫と人との関わりを見つめ直す機会にしようと準備を進めている。

 県内で活動する動物愛護団体「琉球わんにゃんゆいまーる」代表の畑井モト子さんによると、たけしは、那覇市の中心商店街に暮らす母猫から生まれ、1、2歳の頃からかわいがられたという。母猫はたけしを産んだ後にボランティアによる不妊手術を受け、たけしも去勢手術を受けていた。

 展示される写真は約50点。畑井さんやたけしのファンが撮影して送ってきたものだ。行きつけの店でのんびりとたたずみ、まちぐゎーを訪れる人たちと触れ合う姿などが収められている。

まちぐゎーで愛され「ねこ生」を閉じたアイドル猫のたけし(写真展作品より提供)

 23年3月下旬のある日、商店街の店主たちが「たけしの調子が悪そうだ」と話していた。畑井さんが偶然見かけてたけしに近寄ると、目がうつろでふらふらしている様子だった。病院に連れて行くと猫白血病だと判明した。

 知人が部屋を提供してくれた。友人3人と交代で看病する日々が始まり、闘病中の様子をインスタグラムで発信した。

 約1カ月半の闘病生活の後、5月2日に最期の時を迎えた。畑井さんが当番の日で、他の3人も駆け付けると畑井さんのひざの上で息を引き取った。

 死んだことを知った人たちが、たけしのもとへ次々と訪れた。ある店主は「火葬代に」と香典を持ってきた。新たな公設市場の工事現場で働いていた男性も手を合わせに訪れた。家でペットが飼えず、工事現場でたけしに合うのを楽しみにしていたという。

 「さまざまな人ができることをして支えてくれた」と畑井さん。感謝の気持ちを込めて写真展の告知でポスターやチラシを持って商店街を駆け回る。

 畑井さんは「かわいい、かわいそう、というだけでは生き物は飼えない。時間もお金も負担が大きい。猫を取り巻く問題は、人間の問題。たけしの写真展を通して猫と人の関わり方を考えてもらいたい」と呼び掛けた。

 (慶田城七瀬)


 写真展は、23、24日の午前10時から午後5時まで、那覇市牧志の那覇ブロードウェイ(八軒通り)で開催。入場無料。問い合わせはインスタグラム@takeshi.machigwacatまで。