懐かしの「パッチワークジーンズ」再び 復帰前に大流行、50年ぶりに製作 国頭・沖縄


懐かしの「パッチワークジーンズ」再び 復帰前に大流行、50年ぶりに製作 国頭・沖縄 パッチワークジーンズを着こなす知花善光さん=9日、国頭村辺土名
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 【国頭】国頭村辺土名で三線を製作している「工房あしび三線ZEN」の知花善光さん(71)は昨年、沖縄の日本復帰前後に流行した「パッチワークジーンズ」を50年ぶりに作った。店内で展示しており、訪れた人たちは興味深そうに眺めているという。

 知花さんは中学卒業後、県外で働いては沖縄に戻る生活を続けていた。復帰直後に帰沖し、那覇市の国際通り近くにあったジーンズショップで働き始めた。

1973年ごろ那覇市の国際通り近くのジーンズショップで働いていた知花さんの写真。パッチワークジーンズを着ている

 時代はディスコブーム全盛期。ディスコの従業員らが着始めたのがパッチワークジーンズだった。複数のジーンズから裁断した布をつなぎ合わせて一つのジーンズにしたもの。知花さんは多くの依頼をこなし、有名なバンドのメンバーが着けているのも見かけた。

 しかし、数年後に中古ジーンズブームが始まったことで手を引いた。「米軍の払い下げで一本300円で買えたジーンズが千円まで上がった。もう潮時だと思った」と語る。そして再び県外に渡った。

 ジーンズ製作を再開したきっかけは、2022年の復帰50周年を知ったため。「50年ぶりにもう一度作ってみよう」と思いつき、23年に入り製作を始めた。感覚は忘れていなかった。知花さんは完成したパッチワークジーンズを自身の三線店で飾っており「見た人が喜ぶのがうれしい」と笑顔を見せた。

 (玉寄光太)