第121回秋の全島闘牛大会が10日、うるま市石川多目的ドームで開催された。対戦開始前から2階立ち見席まで埋め尽くすほどの超満員で、結びの一番で勝敗が決する頃には迫力ある沖縄闘牛の醍醐味(だいごみ)に会場は興奮のるつぼと化していた。無敗の連勝牛が挑戦することで注目されたタイトルマッチは、重量級は新力Babyが防衛、中量級は二代目彪獣王(とらじゅうおう)が新チャンピオンに、軽量級はしんちゃんが防衛した。
重量級優勝旗争奪戦は、新力Babyが荒岩王の鉄壁の守りに苦戦を強いられながらも2度目の防衛に成功した。新力Babyは序盤からいつも通りの軽快なフットワークで一気に攻め立て腹取り速攻をもくろむが、荒岩王の高い守備力と体重差もあいまって容易に切り崩すことができなかった。時間が進むにつれて体格で勝る荒岩王に押し返される場面も見られるようになった。しかし、攻撃は最大の防御とばかりに常に前に出る新力Babyの圧力に、荒岩王はスタミナを削られ舌だしをすると20分25秒で敗走。沖縄全島一牛のタイトルマッチにふさわしい大激戦に会場からは割れんばかりの歓声や拍手、指笛が沸き起こった。
中量級優勝旗争奪戦は、心美花形(ことみはながた)が前試合同様に距離を取った打撃戦を試みるが、二代目彪獣王のツキワリやカケ技の前に効果を発揮できなかった。終始、主導権を握り続けた二代目彪獣王が新チャンピオンに輝いた。
軽量級優勝旗争奪戦は、序盤から互いの得意技である速攻の応酬でリング内を右に左にと素早い展開で客席を沸かした。その後、しんちゃんがカケ技で馬天オーヤー莉希愛(りきあ)の動きを封じると、馬天オーヤー莉希愛が自ら敗走。しんちゃんが経験の差を見せ堂々2度目の防衛戦を飾った。
【重量級優勝】新力Baby
【中量級優勝】二代目彪獣王
【軽量級優勝】しんちゃん
【ゆかり賞】れおくんパンダ
【敢闘賞】樹(マチー大城)龍
【殊勲賞】恵三郎
(平川智之通信員)