浦添の多重事故、一夜明け現場には手を合わせる人たち 池袋暴走事故の遺族も「人ごとと思えず」


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花を手向けて事故の犠牲者を弔う女性=12日午後5時ごろ、浦添市伊祖

 1歳の男児を含む6人が死傷した事故から一夜明けた12日。多くの人が事故現場を訪れ、花を供えるなどして犠牲者を悼んだ。現場近くの防犯カメラ映像では、雨が降りしきる中、ダンプカーが高速で走行し、中央分離帯に向かう様子が記録されていた。

 「とても悲しくて、昨夜は寝ることができなかった」。那覇市の上原義教さん(63)は悲惨な事故に胸を痛める。上原さんは2019年4月、東京・池袋で乗用車が暴走した事故で犠牲になった、娘(当時31)と孫(同3)の遺族。「人ごととは思えず、現場を訪れた。娘たちを失った事故と重なる」と声を震わせた。

 浦添市の平良奈歩さん(35)は、9歳と3歳の娘と一緒に手を合わせた。約2年前に親族を交通事故で失ったという。「事故はいつ起こるか分からない。日頃から家族や周りの人を大切にしていきたい」と涙ながらに語った。