戦後76年目の慰霊の日となった23日、糸満市摩文仁の平和祈念公園では、沖縄戦で命を落とした20万人余をしのび、恒久平和を願う「沖縄全戦没者追悼式」(県、県議会主催)が執り行われた。新型コロナウイルスの感染防止のため、参列者は随行者を含む36人に絞られた中、正午の時報に合わせて黙とうした。
玉城デニー知事は平和宣言で「戦争を体験したすべての方々の思いに応え、二度と悲劇を繰り返さないため、戦争体験や教訓を次の世代に正しく伝えていく」と誓った。県内各地でも追悼式が行われ、戦禍を忘れず、平和への願いを紡いでいく気持ちを強めた。
宮古島市立西辺中学校2年の上原美春さんが平和の詩「みるく世(ゆ)の謳(うた)」を朗読し、「平和な世界は私たちがつくるのだ」と気持ちを込めた。
国内外の戦没者24万1632人の名が刻まれた平和祈念公園内の「平和の礎」や、県内各地の慰霊塔などには早朝から多くの家族連れや関係者が訪れた。礎では、故人の名をなでながら、平和が続くことを強く願っていた。