【動画】那覇の「屋上庭園」に響く琉球音楽 仕事終わりに夜風と夜景とともに 「古典企画」が初の屋外公演 泉崎・新報ビル


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「新報スカイガーデン」で開催した古典企画の初公演「夜の琉球音楽会」。(左から)箏の池間北斗、歌三線・仲村逸夫、笛の入嵩西諭=18日(又吉康秀撮影)

 琉球古典芸能の継承と発信を目指す「古典企画」の仲村逸夫(歌三線)、入嵩西諭(笛)、池間北斗(箏)による、初の屋外公演「夜の琉球音楽会Vol.1~琉球音楽を春の夜風にのせて~」(古典企画主催、琉球新報社後援)が18日、那覇市泉崎の琉球新報社9階屋上庭園「新報スカイガーデン」で開かれた。夕方と夜の計2回の公演で、観客約150人が庭園からの景色とともに鑑賞を楽しんだ。夕方公演を取材した。

 「古典企画」は2022年4月に発足し、今回が初の自主公演。「仕事終わりに、気楽に音楽を聴きに行く」を趣旨に、カジュアルな音楽会を演出した。琉球古典音楽や器楽曲、二重奏など多彩な演目を披露した。初めて琉球芸能を見る人向けの分かりやすい解説も交え、琉球芸能の魅力を発信した。

(舞台左から)箏の池間北斗、歌三線・仲村逸夫、笛の入嵩西諭

 幕開けは、3人が琉球古典音楽斉唱「松竹梅」(揚作田節・東里節・赤田花風節)を披露した。箏独奏による「瀧落菅撹(たちうとぅしすががち)」「地菅撹」「江戸菅撹」を池間が披露し、八重山の代表曲「とぅばらーま」「月ぬ美しゃ」を、自身の故郷である入嵩西が情感豊かに奏でた。

 仲村が続けて古典音楽独唱「二揚下出仲風節(にあぎさぎんじゃしなかふうぶし)」を力強く歌い上げた。器楽曲「若夏」(三田信一作曲)では、箏と笛の二重奏による演奏で、みずみずしく優美な音色で魅了した。最後は組曲「千鳥の系譜」と題し、「千鳥」の名が付く楽曲をメドレー形式で演奏。「古典企画」のメンバーの佐辺良和(琉球舞踊)による共演で、沖縄情緒を感じる心地よい演目で締めくくった。

 計2回の公演は一部、演奏曲目も異なり、約70分の公演はあっという間に感じられた。来場者からは「素晴らしかった」「もっと聴きたい」などの声が上がっていた。

 公演の動画は琉球新報公式ユーチューブから視聴できる。また、6月16日午後7時半からNHKの「沖縄の歌と踊り」で放送を予定している。

(田中芳)