「真摯な回答ない」 副知事、国対応を批判 辺野古新基地・公開質問状


この記事を書いた人 Avatar photo 金城 潤
公開質問状に対する国土交通省からの回答に対し「不誠実」などと批判する浦崎唯昭副知事(中央)、安慶田光男副知事(右)=13日午後、県庁

 名護市辺野古の新基地建設をめぐり、翁長雄志知事が石井啓一国土交通相に6日に送付した公開質問状に対する回答が13日、県に届いた。回答は国交省水管理・国土保全局長名。国交相は行政不服審査法に基づき翁長知事の埋め立て承認取り消しの効力を執行停止し、また地方自治法に基づき知事に代わり承認取り消しを撤回する代執行手続きを開始したと回答した。県は国の機関である沖縄防衛局が自らを「私人」と同様の立場だとして行政不服審査制度を利用して承認取り消しの執行停止を申し立て、国交相がこれを認めた理由など5項目を質問したが、具体的な理由は回答しなかった。

 回答について浦崎唯昭副知事は13日、県庁で記者団に「県の質問に真摯(しんし)な回答はなかった。国自ら県民、国民の疑問に答えられないことを示した。首相や官房長官が言う『沖縄の人々に丁寧に説明し、理解を求める』という言葉とは程遠い。誠に遺憾だ」と批判した。
 県は13日、辺野古新基地建設問題対策課のホームページに質問状と回答の両方を掲載した。
 公開質問状は、なぜ沖縄防衛局は埋め立て承認を「国」の立場で申請したのに、「私人」の立場で行政不服審査制度を利用し、国交相はこれを認めて埋め立て承認取り消しの効力を執行停止したのか-など5点を尋ねていた。その上で「都合に応じて自らの立場を使い分けている」と批判していた。
 一方、国交省の回答は県の質問に「そもそも回答を行う法的義務はない」と前置きした上で、国交相の一連の手続きは「行政不服審査法に基づく審査請求・執行停止、地方自治法に基づく代執行手続きは、制度の趣旨・目的が異なる法律に基づきそれぞれ対応した結果だ」とした。その上で「立場を使い分けているとの指摘は当たらない」と反論した。