翁長沖縄県知事 膵臓に腫瘍 手術へ 2期目態度明かさず


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入院先の病院で会見し、膵臓に見つかった腫瘍の手術的治療が必要と説明する翁長雄志知事=10日午後5時10分ごろ、浦添総合病院(花城太撮影)

 翁長雄志知事は10日、沖縄県浦添市の浦添総合病院で会見し、精密検査の結果、膵臓(すいぞう)に腫瘍が見つかったことを公表した。現時点で良性か悪性かは不明で、確定診断のための手術を今月中に行うことで日程を調整している。2期目に向けた知事選出馬については態度を明かさなかった。

 会見には担当医も同席した。翁長知事は「医師からは根治する方向で治療をやっていけると説明を受けている。病気と相対しながら根治をする中で、知事としての責任を全うしたい」と語り、手術後の早期の公務復帰に意欲を示した。

 2期目となる知事選出馬への影響については「診断を受ける以前から知事選に出る出ないを考えていない状況でやってきた。それをベースに早めに病気を治して公務復帰を果たしていく」と明言を避けた。

 手術までは知事公舎で静養し、現時点では職務代理は置かずに副知事らと連絡を密にしながら県政の業務を続ける。17日の具志堅用高さん、比嘉大吾さんへの県民栄誉賞表彰式には贈呈者として知事自ら出席する考えを示した。

 会見した医師によると、膵臓の中心から末端にかけての部分(膵体尾部)に2センチを超える大きさの腫瘍が見つかった。腫瘍は手術で切除する。膵臓以外の臓器に異常はないという。

 翁長知事は5日に豊見城市内の病院で陽電子放射断層撮影(PET)検査を受けたところ異常が見つかり、再検査のため浦添総合病院に5日午後から入院した。7日まで精密検査を受け、治療方針を確認したという。

 膵臓は食物の消化を助ける膵液や、血糖値を調節するホルモンのインスリンなどを生産する器官。翁長知事は那覇市長時代の2006年に、初期の胃がんが見つかり胃の摘出手術を受けている。担当医は今回の腫瘍について、前回のがんの転移や再発ではないとの見解を示した。