<未来に伝える沖縄戦>命懸けの井戸の水くみ 吉嶺全一さん(81)下


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沖縄戦を振り返り「戦争は人も自然も全て破壊する」と語る吉嶺全一さん=4月30日、糸満市の三和中学校

 《1945年6月、当時12歳の吉嶺全一さん(81)は家族と共に摩文仁村(現糸満市)に追い詰められました。陸も海も米軍に囲まれ、逃げ場のない中で水と食料の確保に苦労します》

 沖縄師範健児之塔近くにある金井戸(チンガー)に水くみに行ったが、力がなくて大人に押しのけられた。列の後ろから海を見たら、哨戒艇が進んで来るのが見えてね。「これは危ない」と思って岩陰に真っ先に逃げた。前で水をくんでいた人はとにかく命の水だから、海の方をちらちら見ながらもまだくんでいた。そこに向けて米軍はバラバラと攻撃した。翌日また水くみに行ったらね、泉の周辺は全部死体だった。頭を井戸の中に突っ込んで血だらけの水になっていた。

※続きは5月26日付紙面をご覧ください。