島田叡氏の足跡しのぶ 那覇に顕彰碑建立 最後の官選知事


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顕彰碑を除幕した井戸敏三兵庫県知事(左から3人目)や翁長雄志知事(右から3人目)ら関係者=26日午前、那覇市奥武山公園(諸見里真利撮影)

 米軍上陸が迫る沖縄に最後の官選知事として着任し、住民保護などに奔走した島田叡氏の顕彰碑が那覇市の奥武山公園内に建立された。命日とされる26日、除幕式が開かれ、約400人が完成を祝った。翁長雄志県知事ら県内関係者に加え、島田氏の出身地の兵庫県からも井戸敏三知事や久元喜造神戸市長らが出席し、足跡に思いをはせた。

 県内の野球関係者を中心とした有志による「島田叡氏事跡顕彰期成会」が2013年から協力を呼び掛け、3万人超の署名と1千万円近くの寄付が集まった。顕彰碑は高さ2・8メートル。琉球石灰岩の台座に「魂」や「和」をイメージしたステンレスの球体を組み合わせた。顕彰碑と併せ、隣接する多目的広場に「兵庫・沖縄友愛グラウンド」との名称を付け、名前を記した碑が除幕された。
 気温31度の夏空の下に開かれた式で、井戸知事は「没後70年の今年、あらためてその深い人間愛や郷土愛、最期まで県民を守ろうとした生きざまを学び、次世代へと語り継がなければならない」とあいさつし、島田氏にちなんだ自作の歌を読み上げた。翁長雄志沖縄県知事は「兵庫県と沖縄県の友愛の絆がさらに深まり、島田氏の功績が語り継がれていくことと思う」と語った。