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児童生徒や教職員らを追悼 「沖縄戦の実相、次の世代に」 教育関係の戦没者慰霊祭 沖縄・那覇


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沖縄戦で犠牲になった児童生徒や教職員らを追悼し、献花する参列者=26日、那覇市の県教育会館

 沖縄戦で犠牲になった児童生徒や教職員らを追悼する第70回教育関係戦没者慰霊祭が26日、那覇市の県教育会館であった。遺族や教育関係者など約40人が参加して、戦没者の冥福を祈るとともに、平和への思いを新たにした。

 会館内にある慰霊碑には、米潜水艦の魚雷攻撃を受けて沈没した「対馬丸」の犠牲者を含む教職員と児童生徒併せて7610人の名前が刻まれている。参列者は献花台に花を手向け、手を合わせた。

 教育会館理事長の木本邦広さんは、沖縄戦から78年が経過し、戦争を語り続けた体験者が減少していることに触れ「沖縄戦の実相を風化させることなく、次の世代に語り継いでいかなければならない」とあいさつした。

 県遺族連合会副会長の瑞慶山良祐さんは、同連合会の我部政寿会長の追悼文を代読し「戦争はありふれた日常を一瞬にして奪う。私たちが享受している平和や豊かさは、先人たちの大きな犠牲の上にあることを心に刻む」と語り、戦争体験を継承する責務があるとした。

 慰霊祭は6月に予定されていたが、台風の影響で延期していた。

(高橋夏帆)