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会場全体で「えんどうの花」歌う 発掘作品の初披露も 宮良長包生誕140年記念祭


会場全体で「えんどうの花」歌う 発掘作品の初披露も 宮良長包生誕140年記念祭 フルオーケストラと合唱、ピアノ、三線、琉球箏が合わさり「嵐の歌/嵐の曲」を演奏。歌は仲松あかり(ソプラノ)=18日、那覇文化芸術劇場なはーと
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 宮良長包生誕140年記念音楽祭実行委員会は18日、同記念音楽祭を那覇文化芸術劇場なはーとで開催した。国内外で活躍する演奏家らが出演し、長包音楽の代表作品や発掘作品など、親しみを感じる多彩なメロディーを壮大に奏でた。

 第1部は県内外で活躍する声楽家による独唱、第2部は石垣島出身の3人組バンド「きいやま商店」やいしがき少年少女合唱団らが演奏や合唱を披露した。

「泣く子」など長包の発掘作品を高宮城徹夫の編曲と指揮で琉球交響楽団と演奏するピアニストの会田牧子

 第3部は琉球交響楽団とチェコ・プラハで活動する長包のひ孫にあたるピアニストの会田牧子が「泣く子」「誰にも言うな」「しぐれ」などの発掘作品を初披露した。

 長包の直筆譜は10・10空襲で焼失し現存していない。初披露した曲は、音楽祭の音楽監督・大山伸子さんが長包の教え子らを訪ね、歌唱を採譜、楽譜化して発掘し、琉球交響楽団の高宮城徹夫がピアノ協奏曲に編曲した。演奏後、舞台上であいさつした会田は「感激で胸がいっぱいだ」と語った。

 同公演のために結成された宮良長包生誕記念合唱団とフルオーケストラ、三線と箏奏者ら、声楽家による「嵐の歌/嵐の曲」では、西洋音楽と沖縄音楽が融合した。フィナーレは出演者全員が登壇し、来場者とともに「えんどうの花」を歌い上げた。

 (田中芳)

「えんどうの花」をアレンジして長包メロディーを披露するきいやま商店
「すみれ」「桑の実」を透き通った歌声で披露するいしがき少年少女合唱団