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下地イサムさんらに文化長官表彰 沖縄県関係4人 芸能など継承尽力 


下地イサムさんらに文化長官表彰 沖縄県関係4人 芸能など継承尽力 
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 文化庁は12日、文化活動で優れた功績を上げた人や団体に贈る2023年度の文化庁長官表彰に、県関係者4人を含む83人と、4団体を選んだと発表した。19日に京都市内で表彰式を開く。

 県関係は国指定重要無形文化財「琉球舞踊」「組踊」(総合認定)保持者の喜瀬慎仁さん(80)=沖縄市、ミャークフツ(宮古言葉)・シンガーソングライターの下地イサムさん(54)=浦添市、染織製作技術者で喜如嘉の芭蕉布保存会会長の平良美恵子さん(75)=大宜味村、来訪神行事保存・振興全国協議会理事の宮良保さん(64)=宮古島市。

 文化庁によると、喜瀬さんは歌三線演奏家として、組踊や琉球舞踊の充実した舞台活動を継続するとともに、後進の育成にも努め、組踊と琉球舞踊の保存・伝承に寄与した。下地さんはミャークフツでの歌の創作・歌唱を通し、ミャークフツの威信を向上させ、文化庁事業への協力などミャークフツの継承に尽力した。平良さんは染織製作技術者として国指定重要無形文化財「喜如嘉の芭蕉布」の保存と伝承者の養成に尽力した。宮良さんは国指定重要無形民俗文化財「宮古島のパーントゥ」をはじめ、全国の来訪神行事の保存・伝承に尽力し、関係団体の要職を務め、国の文化財保護に多大な貢献をした。

 また、ピアニストの上原ひろみさん(44)やソムリエの田崎真也さん(65)らも選ばれた。手塚治虫らが暮らした東京都豊島区の「トキワ荘」の住人だった漫画家水野英子さん(84)や、落語協会最高顧問の鈴々舎馬風さん(83)、「俳句甲子園」などで俳句の普及に取り組む夏井いつきさん(66)らも表彰される。

 団体は、ウクライナ避難民への日本語指導や生活支援に当たった「ウクライナ学生支援会―JSUS(ジェイサス)―」(大阪市)や、海外に「Taiko」という演奏ジャンルを確立させるのに貢献した「太鼓芸能集団 鼓童」(新潟県佐渡市)など。