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「万歳敵討」稽古に熱 23、24日 「清ら星たち」公演


「万歳敵討」稽古に熱 23、24日 「清ら星たち」公演 組踊「万歳敵討」の指導をする親泊興照(右端)=11日、浦添市の国立劇場おきなわ
この記事を書いた人 Avatar photo 藤村 謙吾

 国立劇場おきなわで11日、「伝統芸能を生きる『清ら星たち』~写真集発刊記念組踊公演」で上演する、組踊「万歳敵討」(親泊興照監修、中村一雄地謡指導)の稽古があった。

 「伝統を崩さず、次の若い世代に伝えてほしい。あなた方を頼りにしている」。稽古は、次代の担い手への期待を込めた興照の言葉から始まり、自然と熱を帯びた。

 興照は、立方が舞台に出る際の歩みから目を光らせ、唱えの抑揚や音程が至らなければ自ら実演した。出演者の芸をさらに磨き上げようと、初代興照、真境名由康から継いだ技を惜しみなく伝えた。

 謝名の子と慶雲の兄弟は、共に重要無形文化財「組踊」保持者(総合認定)の平田智之と宇座仁一が数年ぶりに演じる。平田は「互いに保持者になり、今までと同じ芸ではいけない」と、全体稽古とは別に宇座と2人、本番に向けて研さんを重ねる。興照は「基本をしっかりできるようにし、いいものに仕上げたい」と表情を引き締めた。

 公演は23、24日、那覇市の琉球新報ホールで。両日共に午後5時開演。前売り3千円(当日500円増し)。問い合わせは琉球新報社統合広告事業局、電話098(865)5255。

 (藤村謙吾)