【うるま】県立芸術大学院1年の國場海里さん(22)は20日、うるま市の石川地区公民館で戦後の演芸会を再現した琉球芸能演芸会「みほその町から繋(つな)ぐ 先人達からの生きる希望」を開催する。当時の演芸会の写真を参考に演目などを再現した。
戦後、現うるま市石川には民間人収容所が設置され、戦前活躍していた芸能人なども集められていた。1945年12月7日には城前小でクリスマス祝賀演芸大会が開かれるなど、石川は戦後芸能の出発点となった。
主催者の國場さんはうるま市石川出身。大学院の授業の一環で公演を開催するに当たり、「地元で開催したい」と地域に根付いた芸能に着目した。戦後に演芸大会が開かれた城前小出身で、平和学習で石川歴史民俗資料館に足を運んだことがあった。改めて同資料館などで戦後の演芸について調べ、当時の写真などを基に演目を構成した。
調査の中で石川でも悲惨な戦争の歴史があったことを改めて知り、「忘れてはいけない」との思いが芽生えた。「写真や資料で地域の戦後を知ってほしい」と公演会場には石川歴史民俗資料館の資料を展示する予定だ。
國場さんは「石川では戦争の傷が残る中、芸能が人々の生きる希望だった。多くの方に戦後の社会復興の中で育まれた芸能を知ってほしい」と来場を呼びかけた。
演芸会には県立芸大の生徒16人が出演する。午後1時から4時。観覧料は一般1500円、小学生~25歳500円、65歳以上500円。問い合わせは國場さん、電話090(5923)0534。
(金盛文香)