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バレエの魅力 境界越えて ジャパンバレエシアター沖縄初公演 シャノン芸術監督らに聞く 個性生かす団体、日本で 来月31日、なはーと


バレエの魅力 境界越えて ジャパンバレエシアター沖縄初公演 シャノン芸術監督らに聞く 個性生かす団体、日本で 来月31日、なはーと ジャパンバレエシアター(JBT)のマイケル・シャノン芸術監督(右)とジェネラルディレクターの小笠原由紀=10日、那覇市のNSバレエアカデミー
この記事を書いた人 Avatar photo 田中 芳

 「ジャパンバレエシアター(JBT)」の「ワールドプレミアガラ沖縄2024」が3月31日、那覇文化芸術劇場なはーと大劇場で開かれる。世界で活躍するダンサーをゲストに迎え、「パキータ」や「白鳥の湖」2幕など人気の演目を多数披露する。JBTのマイケル・シャノン芸術監督とジェネラルディレクターの小笠原由紀に、カンパニー立ち上げの経緯や、沖縄初となる公演の見どころなど話を聞いた。 (聞き手・田中芳)


 ―バレエ団立ち上げの経緯は。

 シャノン 年齢や性別、国籍も問わず、みんなが協力して作り上げる舞台にし、境目をなくしたいと思った。ガラでの演目を増やすことで、それぞれの個性を生かせるようにしたい。身長や体形の違いもある。それぞれの多様性があっても良いのではないか。コールドを踊る子や若い世代に、こういう踊り方ができるといっった、イメージを変えるきっかけにもなる。バレエの中にもさまざまなジャンルと演目がある。違う色を見てもらいたい。

 小笠原 女性はポワントを履いて踊り、足の先から血が出ても、翌日もまた踊る。ホルモンバランスのアップダウンを経験する。生理が来たら体形も変わる。そこで拒食症になり人生を台無しにしてしまう子もたくさんいる。彼の立ち上げ理由に100パーセント賛同している。自分の経験から女の子を守りたい。それに加えて、バレエ界の中でも残念ながらハラスメントがある。私自身も被害にあった立場として、防いでいきたいという意志で立ち上げた。

 シャノン 海外での経験を生かし、海外のエッセンスと日本の良いところを合わせていく方向を重要視している。『アメリカン・バレエ・シアター』のようなカンパニーを日本で立ち上げることが夢だった。全世界からいろんな国籍のダンサーが集まることによって一つの国籍だけでは出ない色がある。それを日本で再現したかった。

公演に向けて指導するマイケル・シャノン(左)=10日、那覇市のNSバレエアカデミー

 ―日本バレエ協会沖縄支部の協力の下、選抜ダンサーも出演する。

 シャノン 沖縄にいながら海外のオープンメンタリティーな経験をしてもらい、バレエの楽しさをプロセスで感じてもらいたい。素晴らしいゲストと一緒に舞台に立つことで、新しい風が吹くのではないかと期待する。沖縄はオープンメンタリティーな方々が多い。JBTにとっても1回目の公演として完璧なスタート地点となるはずだ。


 ジャパンバレエシアター 米国出身でバレエダンサーのマイケル・シャノンが、日本初の国際的なツアーカンパニーとして、2017年に設立した。国籍や伝統にとらわれず、挑戦するとして「Beyond Boundaries」(境界を超えて)を目標に掲げる。


 開演は午後4時。出演は中村祥子、二山治雄、小野絢子、小笠原由紀、アレキサンダー・ヤップ、高橋裕哉、長崎真湖、シンホァイ・リアン、加隈兎沓ら。入場料はS席5千円、A席4千円、B席3千円。問い合わせはジャパンバレエシアター、電話070(8547)7288。