琉球王朝時代の古陶を復刻した陶芸家らが12日、那覇市の識名園で完成品のお披露目会を開いた。このプロジェクトは2015年に発表された「琉球ポタリー 温故知新」シリーズの第2弾で、今回は前回より作品の地域や作り手の世代も広がった。県内在住の陶芸家を中心に11人がマカイや瓶、壺など約200点を復刻した。作品は19日から9月3日まで、那覇市のふくら舎(桜坂劇場内)で展示販売する。
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沖縄で窯を使った陶器生産が本格的に開始されたのは17世紀初頭。その後、沖縄本島各地に窯場が作られ、1682年に三つの窯場が牧志村に集約され壺屋地域と壺屋焼が誕生した。400年の歴史の中で陶器は近世期と近代期で役割を変えながら今日まで育まれてきたという。
陶芸家らは県立博物館・美術館などに残る古陶や文献などを基に、材質や作り方を研究し復刻した。最も古い作品は「半胴甕古我知」や「湧田マカイ」で、17世紀の作品を再現した。 北窯・松田米司工房=読谷村=の松田米司さんは「昔の陶器はやっぱりすごいなと感じた。自分で作れるか不安だったが何とかできた。あらためて琉球人で良かった」と語った。花型盛皿を手がけた陶藝玉城=大宜味村=の玉城若子さんは「現代の生活にも合うのではないかと想像しながら作った。生活に取り入れてほしい」と述べた。
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今回はアンパル陶芸=石垣市=の宮良断さんが参加したことで、初めて八重山地方の焼き物も復刻した。宮良さんは「八重山の焼き物は沖縄の中でも独特で、沖縄の焼き物は温かみがある一方で、八重山のは渋めの作品が多い」と説明。違いも楽しんでほしいと呼びかけた。
他に参加した陶芸家は松田共司、玉城望、上江洲史朗、井口春治、佐々木かおり、津田堅司、松田健悟、上江洲茂生(故人)の各氏。
(当銘千絵)