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うるま市の文化財を守り伝えたい 市の計画を国が認定、沖縄県内初 グスクや芸能を観光活用


うるま市の文化財を守り伝えたい 市の計画を国が認定、沖縄県内初 グスクや芸能を観光活用 サングヮチャーで魚のみこし(タマン)を担いで海を渡る地元の中学生ら=2023年4月、うるま市の平安座島
この記事を書いた人 Avatar photo 玉城 文

 【中部】文化庁は19日、沖縄県うるま市が策定した「文化財保存活用地域計画」を認定した。同計画は文化財を保存・活用し、まちづくりや観光誘客へつなげる国の制度。県内初の認定で、全国では169件目。計画が認定されたことで、国の文化財への登録・指定や補助金を申請しやすくなり、国からの補助率も加算される利点がある。

 市内には、旧暦3月3日に平安座島で行われ、豊漁や海の安全、健康を祈願する「サングヮチャー」など独自の文化財が各地にある。

 市は(1)海を生かした文化交流(2)グスクを中心に集落を形成し、伝統行事が今も続く(3)歌と芸能も古くから盛ん(4)沖縄戦後は沖縄民政府が誕生して沖縄芝居などの芸能も活発で、米国の食文化も普及―の4本柱を盛り込み、計画を策定した。市内を7区域に分けて食、建造物、芸能の文化要素を紹介した。

 国から計画が認定されるためには、住民の理解や協力を得ていることや、継承へ向けた取り組みが持続可能であることがポイントとなる。有形・無形にかかわらず、文化財指定を受けていない伝統行事なども、地域に根付き、継承するべきとの共通認識があれば、計画の中で文化財と同じように保存、活用していく。

 計画策定に携わった市教育委員会の前田一舟さんは「継承にとどまらず、市の魅力を内外に発信して周遊型観光に生かしたい」と話した。

 (玉城文)