俳人で写真家の豊里友行さんがこのほど、6冊目の句集「地球のリレー」を沖縄書房から刊行した。テーマは「命」。ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルとパレスチナの紛争など、世界各地で争いが続く現状に心を傷めているという豊里さん。「俳句を通して、戦争へのあらがいを創造したい」と話す。
今回の句集では、「星しぐれ」(地球戦争履歴X年)や「核の世」(核の世の崩壊X年)、「地球のリレー」(宇宙史X光年)で、作句年代を「X年」と仮定しながら、過去・現在・未来へと想像力の翼を広げることで、俳句表現領域の拡大を試みた。戦争の履歴を考えることで、今ある地球や環境の尊さを再確認し、戦争のない平和な社会の実現には何が必要なのか思考を巡らせたという。
「かなり攻めた作風だが、自身としては約30年の俳句人生の中で今が一番旬だと感じている」とし、今後も写真と俳句の“二刀流”で、沖縄戦や基地問題に取り組みたいと意気込んだ。
句集は税込み2200円。問い合わせは豊里さん(電話)070(5491)3807。
(当銘千絵)