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船出を鮮やかな舞で 琉球舞踊燦の会 発足公演


船出を鮮やかな舞で 琉球舞踊燦の会 発足公演 この日のために創作された「華の祝い」を踊る会主の武富美智子と藤戸絹代=9月29日、浦添市の国立劇場おきなわ
この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子

 琉球舞踊燦(さん)の会の発足記念公演「~揃てぃ舞ら~」が9月29日、浦添市の国立劇場おきなわであった。藤戸絹代と武富美智子の両会主や門下生が出演し、古典から創作舞踊まで鮮やかな舞で、同会の船出を生き生きと表現した。

 燦の会は、2022年に発足。燦藤代乃(さんふじよの)会(藤戸会主)と燦武美(さんたけみ)の会(武富会主)があり、燦の会に直接所属している門下生もいる。80人以上が会員で、今回は新人賞以上の27人が出演した。

 藤戸、武富両会主がそろい「かぎやで風」で幕開け。第1部では「本貫花」や「収納奉行」など古典や雑踊を披露した。

 第2部は、本公演のために両会主が作舞した「華の祝い」を両会主による2人舞で披露した。喜舎場盛勝作詞、仲村逸夫作曲・選曲。1曲目の「与儀前ん田節」はゆったりと、2曲目の「喜びの御座節」は花を手にかれんな踊りを見せた。おのおのの華が咲かせられるようにという願いと、共に歩む喜びを込めたという演目は、2人の絆や未来へつなぐ輝かしさを感じた。続く「稲まづん」は、燦藤代乃会から名嘉正光、池原雅江、伊波真理子、喜瀬真奈美、前田博美、吉川夏子が踊った。群舞での華やかさと豊かさが感じられた。

 武富会主が作舞した「三村の姉小達(あんぐぁたー)」では、1曲目の「三村節」で小禄、糸満、泊、首里のそれぞれの土地名が登場する。各村の風情が伝わるようなはつらつとした踊りがよかった。燦武美の会から仲田美香、武富由香、比嘉あや子、伊波久美子、瀬良垣彩、野甫愛美が踊った。

 フィナーレは、2人のルーツである大宜味村での漁の様子を描いた「かりゆしの出船(んじふに)~大宜味(うじみ)大漁~」(喜舎場作詞、比嘉康春作曲、武富美智子作舞)を披露。海人の船出と追い込み漁、大漁を喜ぶ女たちを生き生きと演じ、会の勢いを思わせた。

 (田吹遥子)