沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB、下地芳郎会長)は13日、人流データを活用した観光マーケティングレポート「おきなわ観光地域カルテ」のプロトタイプ版の提供を、観光地域づくりを展開する法人(地域DMO)や観光協会向けに開始した。
IT企業「ブログウォッチャー」(東京)と琉球大学の三つの研究室と共同開発し、市町村ごとの入域観光客数のデータなどを可視化した。OCVBによると、市町村ごとの人流データの定期的な発信は全国初。
これまで、県全体の入域観光客数は発表されてきたが、具体的に県内のどの地域にどの程度観光客が訪れているか客観的な情報がなかった。各地を訪れる観光客数だけでなく、性別や年代などの属性も可視化されるため、需要に合ったサービスを市町村ごとに検討できるようになる。
ブログウォッチャーの提供する国内最大規模の人流データ「おでかけウォッチャー」を活用し、県外から沖縄を訪れた人の数や属性、出発地や沖縄での行動などのデータを発信する。
琉球大学工学部工学科社会基盤デザインコースの神谷研究室、同科エネルギー環境工学コース、国際地域創造学部経済学プログラムの山田研究室と共同研究した。解説やグラフで表示しており、分かりやすいさにこだわったという。
おきなわ観光地域カルテはOCVBのホームページからダウンロードできる。今後は地域の観光協会などからのヒアリング調査を元に機能や仕様を向上させ、年内のアップデートを目指す。
一般公開に先立ち、6月末から一部の観光協会・DMOにヒアリングを実施している。那覇市観光協会からは「データの活用でお祭りやイベントの振り返りがしやすく、今後の戦略が立てやすい」という声が寄せられた。
OCVBは今後、沖縄ITイノベーション戦略センター(ISCO)などとも連携し、観光地域づくりに資するデータの導入・分析について協議する予定。
(與那覇智早)