トヨタ自動車は18日までに愛知県内の工場で、2026年に投入する「次世代電気自動車(EV)」の生産技術を報道陣に初公開した。大型プレス機で車台の一部を一体成型する「ギガキャスト」や、車を自動運転で走らせながら組み立てる「自走生産」で、いずれも試作段階だ。これらの技術を確立し、EVの組み立て時間や工程数、工場投資額を現行の半分にする。
トヨタは年間1千万台規模を販売する世界最大の自動車メーカーだが、EVに限れば米テスラなどに後れを取る。重要市場の中国や北米でEVシフトが進む中、自社で提供できる台数を30年に350万台に引き上げる計画を立て、生産工程の見直しを進めている。
鍵の一つが、溶かしたアルミを金型に流して一体成型するギガキャストだ。次世代EVは車台を前、中、後に3分割する新構造とし、前部と後部にこの技術を用いる。現行EVでは後部を86の部品、33の工程でつなぎ合わせているが、ギガキャストによって、いずれも一つに集約できる。
テスラなどが既に実用化しており、トヨタも昨年から試作を本格化した。公開したプレス機は高さ6メートル、幅7メートル、奥行き15メートルほどで、後部1台の製造工程は約3分。摩耗しやすい部分だけを分離交換できる金型を開発し、従来では丸1日かかる交換作業を20分で終えられるという。
組み立て方法も変える。公開したデモでは、組み立て途中のEVが安全な間隔を保ちながら時速0・36キロで自動で走行。人との協働が可能なロボットがシートを取り付けた。コンベヤーを流れる車に人が乗り込んで組み立てる従来の方法よりも、生産性が向上する。
新郷和晃執行役員は「工場の景色とものづくりを変えていくためには、(従来の)生産のやり方を大きく壊すこともいとわない」と語る。
トヨタ自動車が次世代EVの生産技術として開発する、大型プレス機で車台の一部を一体成型する「ギガキャスト」の試作機=愛知県みよし市
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EV組み立て 時間半分に トヨタ、次世代技術を公開
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琉球新報朝刊
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