県発明協会は産業まつり会場の県立武道館アリーナ棟で「第52回県発明くふう展」を開催している。県内企業や個人による独創的な発明が展示されており、一目見ようと多くの来場者が訪れた。特許・実用新案の部では県知事賞の最優秀賞に輝いた、医薬品研究のベアフットドクターズ沖縄によるシキミ酸の抽出方法など9点、意匠の部で2点が展示された。
シキミ酸は抗インフルエンザ薬「タミフル」の原料であり、主に中華料理で用いられる八角から抽出する。タミフルは各国が備蓄を行っているものの、貧しい国では備蓄数が少ない。同社は、貧しい国の人でもタミフルを購入できるように、八角だけでなく県内に自生するヤラブ(テリハボク)や長命草からもシキミ酸が抽出できるような技術を開発した。
同社代表の林健太郎医師は、国境なき医師団として戦場で医療活動を行ってきた。その経験から「戦争が起きないようにするためにも、医療の保障は重要だ。タミフルを廉価で提供し、平和に貢献したい」と話した。
(玉寄光太)