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税関が「争奪戦」に言及 沖縄から韓国に輸出急増の「廃食用油」  高まるニーズとは  


税関が「争奪戦」に言及 沖縄から韓国に輸出急増の「廃食用油」  高まるニーズとは   廃食用油(イメージ)
この記事を書いた人 Avatar photo 謝花 史哲

 沖縄地区税関が20日発表した県内「廃食用油等」の輸出実績で、2022年の数量が前年比約1・8倍の2258トン、金額が同約3・3倍の3億9180万円となり、いずれも過去最高を記録した。9割以上が韓国向け。韓国で廃食用油を使ったバイオディーゼル製造が進んでおり、需要が急伸したという。

 速報値で23年1~10月の輸出数量は前年同期比を10・7%上回っており、担当者は「需要は高く年間通してさらに最高値を更新するだろう」と見通した。

 廃食用油は、回収された使用済み食用油から水分やごみなど不純物を除去したもの。品目番号で「動物性、植物性、微生物性油脂およびこれらの分別物等」に含まれるが、沖縄税関は聞き取り調査で、18年以降の取り扱いは、ほぼ全て廃食用油と確認したという。

 近年、廃食用油は再生航空燃料(SAF)の製造に活用されるなど用途が広がっている。国内でも需要は高まりつつあるが、沖縄税関は国内でのバイオディーゼル精製が安定するまで海外の輸出は続くと分析。その上で「争奪戦が激しさを増さぬよう、各家庭で発生する廃食用油も積極的に回収し、有効活用する必要がある」と指摘した。 (謝花史哲)

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