2024年を迎え、県内の多くの企業は4日が仕事始めとなり、気持ちを新たに業務に取りかかった。20年から続いた新型コロナウイルス感染症の5類移行などで停滞していた社会活動が戻り、観光需要の回復で県経済は好調に推移している。「アフターコロナ」を追い風に、経済活動のさらなる活性化が期待される。一方で資源高や深刻化する人手不足は先行きへの懸念材料として横たわる。課題に向き合い、持続的な成長へ飛躍を目指す経営者の思いを紹介する。
人財で新たな価値創造
本永浩之沖縄電力社長 財務基盤を立て直し、V字回復を目指す飛翔の年とする。エネルギーの安定供給、トップライン拡大、カーボンニュートラル等取り組むべき課題は多岐に亘るが、拠り所は「エネルギーを通して沖縄の力となる」という基本理念だ。新たな人財戦略の下、社員と会社が共に成長し、エネルギープラスαの価値を創造していく。
丁寧な仕事を意識
新城健太郎サンエー社長 昨年は全社員で商品力の強化やお客さまの利便性向上に取り組み、明るい兆しの見えた一年だった。今年も社会環境の変化に対応するため、店舗力・商品力・仕組み力・人財力の向上に取り組む。“丁寧な仕事”を意識し「お客さまが喜び、社員が輝き、地域と共に成長する」幸せを共感する企業を目指す。
サステナビリティ経営
菅隆志沖縄セルラー電話社長 中期経営計画の最終年となる。計画の根幹にサステナビリティ経営を掲げ、通信を核とした両利きの経営の推進と経営基盤の強化により価値創造を目指し、沖縄の持続的成長と企業価値の向上を図る。沖縄の抱える課題解決への貢献と中期計画の目標必達に向けて全社一丸となってやり抜く。
挑戦する楽しさ
呉屋守將金秀グループ会長 先が読めない時代だが、挑戦する楽しさもある。前例に固執せず柔軟に、先入観を持たずに事業を推進していく。また九月に沖縄で初開催となる「ソニー 日本女子プロゴルフ選手権大会」を全力サポートする。
沖縄県の観光振興へ寄与するとともに、事業を通して地元沖縄の魅力を発信する企業を目指す。
県経済と共に成長
山城正保おきなわフィナンシャルグループ会長兼社長 コロナの5類移行から観光客を含めた人の賑わいが戻ってきた。新中期経営計画の目標として、沖縄県経済の発展と共に飛躍的な成長を目指す「ムーンショット目標」を発表した。非常に高い目標に挑戦することで地域社会の持続的な成長・発展を実現する大きな飛躍を目指していく。
変化への柔軟な対応
川上康琉球銀行頭取 今年は県経済が回復に向かう年になる。事業者ごとに課題が大きく異なるため、資金繰りや事業の再構築支援、ESGファイナンスの提案など課題解決に向け個社ごとに柔軟なサポートを実施する。数年先を見据えた人材育成を進めつつ金融環境の変化にも柔軟に対応し、高品質な金融サービスの維持・拡大に努めていく。
社会の安心に貢献
与儀達樹大同火災海上保険社長 全国的に激甚化・多発化する自然災害をはじめ、社会環境の変化に伴い出現する新たなリスクに対し、保険事業者としての役割を的確に果たしていく。多様なニーズに応じた保険の提供に加え、防災・減災や事故防止、そして事業継続力強化の支援に注力することで、持続可能な社会の形成に貢献していきたい。
県経済の躍動に尽力
新城一史沖縄海邦銀行頭取 本年、おかげさまで当行は創業75周年を迎える。景気が回復基調にある中、企業の更なる成長をサポートするため、これまで以上に事業者に寄り添った支援を徹底する。そのためにも、今年は人材育成に注力し、お客さまに最適な金融サービスを提供することで、県経済の躍動に力を尽くしていく。
観光業の収益性アップを
渕辺美紀ジェイシーシー会長 急回復してきた沖縄観光産業は、今年はさらに伸びていくことが予想される。一方で人手不足や二次交通の課題もさらに懸念される。従業員への還元や観光DXへの投資、新たな観光資源の創造など、魅力的な観光業として発展していくためにも、付加価値を高め収益性を上げていきたい。
職員の成長と地域の幸せ
喜友名勇コザ信用金庫理事長 今年は新たな中期経営計画が始まり、創立70周年を迎える節目の年である。これからも県内唯一の信用金庫として地域のお客さまに寄り添い、地域の中小零細企業発展のために、協同組織金融機関としての責務を果たし、持続可能な地域社会づくりに貢献していく。その積み重ねが、職員の成長と地域の幸せにつながる。
海から未来を
宮城茂琉球海運社長 昨年6月、豊見城市に大型物流センターが完成した。順調に機能し、お客さまから喜ばれている。今年は7月に省エネ格付けランク最上位「五つ星」の新しい船が誕生する。台湾航路は開設から10周年を迎える。海に囲まれた沖縄の今をつくり、未来を拓(ひら)くため沖縄と日本各地そして世界を船でつなぐ挑戦を今年も続ける。
更なる新たな道へ
野口望日本トランスオーシャン航空社長 昨年は航空事業以外の分野にも挑戦し、新しい道を拓(ひら)いてきたが、今年はその取り組みを深化させる。またさらなる新しい道を切り拓くため、昨年以上にギアアップして取り組む。「沖縄の課題=JTAの課題」と捉え、地元沖縄の課題解決に貢献したい。
幸せの原動力
當銘春夫りゅうせき会長兼社長 「幸せの原動力」をコーポレートスローガンとし、人、島、世界をつなぐ新たな価値を創造するため、既存事業の強化に加え、新規事業へも果敢にチャレンジする。沖縄のくらしを支え、県民のみなさまへ幸せを届けられるよう、役職員一丸となって取り組んでいく。
新たな挑戦の年
村野一オリオンビール社長 昨年は多くのステークホルダーに支えられ、4年ぶりのビアフェストを開催することができた。新年も清心自達(せいしんじたつ)の精神で、フルーツワインなどの新商品やホテルでの新サービス開発を進め、皆さまを「笑顔」にできる企業となれるよう、今以上にオリオンブランドを輝かせる挑戦を始める。
積極的な「繋つながり」を
鯉渕豊太郎イオン琉球社長 変化の激しい事業環境において成長していくためには、あらゆるステークホルダーに信頼され支持される企業でなければならない。そのために従業員一人一人が地域やお客さま、取引先さまと活発にコミュニケーションをとり「つながる」ことを意識し行動することで共創価値を見いだし、人財育成や事業拡大につなげていきたい。
独自性の創出
糸数剛一リウボウホールディングス会長 琉球貿易商事からスタートした当社グループは、地元のお客さまと共に歩み続け昨年75周年を無事に迎えることができた。今後もご来店いただくお客さまに対して、「刺激がある」「満足度が高い」といった情緒的価値と最高のお買物体験の実現を目指し全社一丸となって取り組む。
驀ばく進しんし社会に貢献
東良和沖縄ツーリスト会長 昨年はコロナが落ち着き、観光も4年ぶりに本格的に復活した。おかげさまで当社もV字回復の年となった。全てのお客さま、関係者に心からの感謝を申し上げる。今年は昇り龍のごとく、さらなる高みを目指し驀進(ばくしん)していく。社員への還元、地域社会への貢献の年にしたい。
一歩前へ未来へつなぐ
玉城智司かりゆし社長 当年は、当社哲学の「かりゆしフィロソフィ」を元に時代の変化に素早く対応でき、前向きで情熱があり何事にも挑戦していく社員創りを目指す。ワークライフバランスの充実で社員が幸せになれば、お客さまや周りの方々にも幸せを与えられ、それが巡り巡って観光業界への憧れや誇りにもつながるだろう。
農は国の基なり
前田典男JAおきなわ理事長 今年は食料・農業・農村基本法が改正される見通しだ。農は国の基なり。農業の重要性を県民へ再認識していただくため、農産物の適正価格の実現などの理解醸成を図っていく。また、総合事業の展開により地域のライフライン的役割の一翼を担うJAとして、引き続き豊かで暮らしやすい地域社会の実現を支えていく。
開業20周年を迎え
渡慶次道俊沖縄都市モノレール社長 おかげさまで、昨年8月10日ゆいレールは開業20周年を迎えた。本年はゆいレールマルシェなど駅のにぎわいや車両の商業利用、観光資源としての活用、さらにはてだこ浦西駅で、モノレールと高速バスとの結節による中北部地域へのアクセス向上を図る取り組みを進めていく。