航空機整備を専門とするMRO Japan(MJP、那覇市)は10日、成田空港を拠点とする貨物専門航空会社の日本貨物航空(NCA、千葉県)とジャンボ機の整備で業務提携を結んだ。これまで旅客機や小型機が中心だった業務に加え、貨物機の事業に本格参入する。
両社は同日、那覇空港で調印式を開き、NCAが自前で取り組んでいた各整備業務などで連携していくことを確認した。MJPの高橋隆司社長は「今回の提携でスキルを向上させ、安全運航を支えたい。超大型機の整備に携わることで、ほかのエアラインの需要を取り込む可能性を広げることになると思う」と話した。
月に1度程度、MJPの整備士が成田空港で、エンジン交換や約千時間の飛行ごとに行う「A整備」と呼ばれる作業を請け負う。担当は15人で、業務内容に応じて必要な人員を送り、エンジンやブレーキ、内部の点検などを機体が到着してから出発するまでの間に実施する。30日から派遣を始める。
来年以降は、機体の塗装作業を中心にNCA機の那覇空港での整備受託も予定している。
MJPによると、ジャンボ機は国の規定で緊急時を除いて那覇空港への着陸は制限されているが、今回の提携に向けて国と協議。時間帯などを工夫し、整備のための空輸という条件でジャンボ機の整備業務についても許可を得たという。
今回の受託で整備が認められたのは7機種目となった。調印式で、ジャンボ機の運航を国内で唯一続けているNCAの小堀寿亮専務は「新型コロナウイルス感染症の影響で海外での整備は困難があった。国内でサポートしてもらえることで、燃料費の削減という点からも大変助かる。今後いろいろと協力関係を築いていきたい」と期待した。
(謝花史哲)