「ぐしちゃんピーマン」が地理的表示に指定 八重瀬の土壌が育む大玉品種 登録は沖縄2例目、青果物で初


「ぐしちゃんピーマン」が地理的表示に指定 八重瀬の土壌が育む大玉品種 登録は沖縄2例目、青果物で初 地理的表示(GI)保護制度に登録された八重瀬町の「ぐしちゃんピーマン」(JAおきなわ提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 玉寄 光太

 農林水産省は29日、地域の農林水産物や食品をブランドとして保護する地理的表示(GI)保護制度に八重瀬町の「ぐしちゃんピーマン」(登録生産者団体・JAおきなわ)など6品目を追加登録したと発表した。県内では2017年の「琉球もろみ酢」に続き2例目で、青果物の登録は初めて。

 ぐしちゃんピーマンの品種「ちぐさ」は栽培が難しいが、八重瀬町のミネラル豊富な土壌とサトウキビを混ぜ込んだ土づくりなどを行うことで栽培が可能となった。品質は大玉で肉厚、光沢のある外観、リンゴのような甘さとシャキシャキした食感、苦みが少なく生でも食べることができるという特徴がある。

 JAおきなわ具志頭支店野菜生産部会の島克行会長は「ぐしちゃんピーマンを通して地域全体で品質向上、魅力あふれる商品の提供に向けて取り組みを続け、県の農業発展に寄与できるよう努めたい」と語った。

 GI保護制度は、その地域ならではの要因や環境の中で長年育まれてきた産品の名称を、地域の財産として保護する枠組み。地域の生産団体などが申請し、農水省が審査し登録する。登録されると、国内外でブランドが守られる。北海道の「夕張メロン」や兵庫県の「神戸ビーフ」など43都道府県の138品目と海外5品目の計143品目となった。国税庁が所管する酒類のGI制度もあり、琉球(泡盛)が指定されている。

 (玉寄光太)

<用語>地理的表示(GI)保護制度

 特別な生産方法や歴史のある農林水産物などを、産地名を冠した地域ブランドとして保護する制度。国際貿易が盛んな欧州が発祥で、フランスの「シャンパン」などが有名。国内での指定は酒類を国税庁、それ以外の作物を農林水産省が担う。名称のほかGIマークの使用が認められ、不正使用は行政の取り締まりの対象とされているが、国税庁によるとこれまでに摘発例はない。