KDDIは6日、ローソンに株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。ローソンには三菱商事が50%出資しており、KDDIは三菱商事以外の一般株主から約5千億円で株式を買い取り50%取得を目指す。ローソンは非上場化し、KDDIと三菱商事が共同経営する。KDDIは通信以外の事業拡大が課題で、コンビニの購買データを生かした金融など個人向け事業を強化する。
KDDIは、ローソンが全国に持つ約1万4600店舗を活用し、近年力を注ぐ銀行や保険といった金融分野の商品提案などを想定。遠隔によるスマートフォンのサポート窓口の展開も見込む。ローソンはKDDIが得意とするデジタル化技術を導入し、より効率的な配送網の構築を進める。災害時の店舗機能の強化も狙えるとしている。
KDDIは現在、ローソン株の2・1%を保有。TOBは4月をめどに実施し、価格は1株1万360円。出資比率はKDDI、三菱商事ともに50%となり、9月ごろ手続きを完了する見通し。三菱商事は2017年にローソンを子会社化していた。
KDDIを含む通信大手各社は、携帯電話事業の競争激化を踏まえ、スマホ決済や保険などの金融や企業のデジタル化支援事業を強化している。KDDIは全国に約2200店舗がある「auショップ」などでローソンの商品やサービスを扱うことも検討する。
3社トップは6日、東京都内で共同記者会見を開き、KDDIの高橋誠社長は「コンビニは社会インフラとして非常に重要。通信の力を十分活用して未来のコンビニを実現する」と表明。ローソンの竹増貞信社長も「われわれが進んでいく上でKDDIの通信、デジタルが大きなサポートになる」と語った。
三菱商事の中西勝也社長は「KDDIの持つ強固な顧客基盤とテクノロジーを組み合わせ、新たなサービスを提供したい」と述べた。
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ローソンにTOB/KDDI、事業拡大へ/三菱商事と共同経営
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琉球新報朝刊