新年早々、耳を疑うニュースが飛び込んできた。時間を追うごとに地震の被害状況が明らかとなり、記憶に残る、風光明媚(ふうこうめいび)な土地の見るも無残な様子の映像を言葉もなく見詰めた。
回復基調にあるとは言え、まだまだ、パンデミックの傷から立ち直れていない会社の状況からみても、大きな寄付などはできそうもない。そんな時、観光業界や地元企業など、皆で力を合わせて、被災者の方を沖縄へ受け入れられないかという話が出た。
当初、有志で話し合っていたことが、沖縄県としての被災者支援へとつながり、航空会社の協力も得られ、避難場所として、限られた予算の中で、宿泊や食事の提供に手を上げてくれるホテルもいくつか出てきた。あとは、誰が手配をするか、ノウハウのある旅行会社に協力依頼が来た。
会社は事業規模も小さく、社員も少ない。主力のインバウンドの仕事も戻り、業務的には、皆、多忙を極めている状況にある。社内の誰にも相談せず、自分が仕事をするつもりで、手を挙げた。今は、県庁と会社を行き来しながら、寒さ厳しい被災地で避難生活をされている方を、沖縄に迎える手伝いをしている。
もちろん、会社の皆を巻き込んで忙しい思いをさせているが、わざわざ、県庁や会社にまで足を運んで感謝を伝えてくださった被災者の方もいて、社員も恐縮しながら喜んでいた。辛(つら)い思いをした方が、人も気候も暖かい沖縄で、少しでも癒やされてほしいと心から思う。