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東芝 最大4000人を削減 非上場化後、初の抜本改革


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 東芝は16日、国内のグループ全体で最大4千人を削減することを盛り込んだ中期経営計画を発表した。電力やインフラなど主要事業ごとに分かれている四つの子会社や本社で重複する間接部門の人件費を減らす。子会社は今後東芝本体に統合する方向。4千人は東芝の国内従業員約6万7千人(2023年12月末時点)の約6%に当たる。昨年12月の非上場化後、経営再建に向けた初めての抜本的な構造改革となる。
 東芝は現在、東京都港区と川崎市にそれぞれ本社事務所を持つが、25年度上期中に川崎市に本社機能を集約する。
 人員削減は満50歳以上を対象に希望退職者を募る。労働組合との協議後、今年11月末までに退職すれば、退職金の特別加算金や2年間の再就職支援を実施する。16日に開いた説明会で島田太郎社長は「苦渋の決断だ。会社を100年後まで残すために行わなければならない。強い責任を感じている」と述べた。余剰人員を減らす一方、脱炭素やパワー半導体、量子技術といった成長領域に経営資源を振り分ける。
 計画では本業のもうけを示す営業利益を27年3月期に3800億円とし、売上高に占める割合を10%に改善することを掲げた。24年3月期はそれぞれ399億円と1・2%にとどまった。利益率はパワー半導体やデジタルなどの強化分野は10%以上、エレベーターなどの低採算事業は5%以上を目標とした。
 島田氏は説明会で「東芝の再興を実現する」と強調した。16日発表した24年3月期の連結決算は、売上高が前期比2%減の3兆2858億円、純損益は748億円の赤字(前期は1266億円の黒字)に転落した。
 持ち分法適用会社でメモリー半導体を手がけるキオクシアホールディングスの業績悪化などが響いた。