トヨタ自動車は17日、アクセルやブレーキといった操作系をハンドルに集約する新技術「ネオステア」の搭載車をパラ陸上世界選手権の開幕に合わせて神戸市で公開した。下肢に障害がある人の運転を楽にすると期待され、早期の実用化を目指している。
会場の神戸ユニバー記念競技場近くで25日まで、車いすの人などを対象に試乗会を開く。開発陣がじかに感想を聞き、課題を洗い出したい考えだ。
右手のグリップに親指で押し込むアクセル、左手部分に指で引っかけるブレーキレバーを配置し、操作感は二輪車に近い。ウインカーやワイパーなどのスイッチ類もハンドルに集めた。
通常の車はハンドルと車輪が物理的につながっているが、これを切り離す「ステア・バイ・ワイヤ」という技術が下地にある。電子制御のため小さな操作で大きく曲がることができる。
約2年前から「ランドクルーザー」の技術者を中心に開発を進めており、まずは同車種での実用化を目指す。ただ足元にペダル類があることを想定した現行の法規制では難しく、国との折衝など課題も多い。
開発に参加しているパラアルペンスキーヤーの森井大輝さんは「運転を諦めている人にも役立てるかもしれない夢の車だ。なんとか実用化してほしい」と語った。
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手だけで運転 実用化へ トヨタ、障がい者の操作楽に
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琉球新報朝刊
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