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上場企業5年ぶり減益予想 25年3月期、輸出鈍化


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 上場企業による2025年3月期の純利益予想の合計額が48兆2050億円で、前期に比べ0・9%減少することが17日、SMBC日興証券の集計で分かった。3年連続で過去最高益となる見通しの24年3月期から一転、5年ぶりの減益が見込まれている。現状より円高進行を想定して輸出の鈍化を織り込んだ上、中国経済低迷の影響を警戒しているためだ。東京証券取引所の最上位「プライム市場」の3月期決算企業を中心とした1421社を対象に集計した。
 日銀が発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)によると、事業計画の前提となる24年度の想定為替レートは全企業の平均で1ドル=141円42銭だった。政府・日銀による為替介入や追加利上げ観測などを背景に、150円台で推移する実勢より円高水準を見込んでいる。円安による輸出企業の業績押し上げ効果が前期より低減するほか、中国向け製品の需要減もマイナス要因となる。
 SMBC日興証券が中間集計を公表した今月10日時点では、25年3月期も最高益更新が見込まれたが、その後保守的な業績予想を開示する企業が増え、減益見込みに転じた。24年3月期決算は集計対象全体の99・3%に当たる1411社が15日までに開示し、これらの純利益合計額は前期比16・1%増の45兆1603億円だった。