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長期金利11年ぶり高水準 国債市場で利回り上がる


長期金利11年ぶり高水準 国債市場で利回り上がる 長期金利の推移
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 週明け20日の国債市場で、長期金利の指標である新発10年債(374回債、表面利率0・8%)の終値利回りは前週末より0・030%高い0・975%だった。2013年5月以来、約11年ぶりの高水準。前週末の米長期金利の上昇を受け、国債が売られて利回りが上がった。
 住宅ローン金利の固定金利は長期金利に連動する。長期金利の上昇基調が続けば、大手銀行は固定金利を引き上げる可能性がある。20日の日経平均株価が約1カ月ぶりに節目の3万9000円を回復したことで、投資家のリスク回避姿勢が和らいだことも、安全資産とされる国債を売る動きにつながった。
 日銀が13日に国債買い入れ予定額を従来と比べて500億円減らしたことも影響した。減額をきっかけに、日銀が金融政策の正常化に向けて本格的に購入額を減らすとの見方が出ているためだ。
 日銀が購入額を減らすと、国債の価格が下がって金利が上がる。市場では「歴史的な円安水準による物価高への対応が意識され、日銀の政策正常化観測がくすぶっている」(証券関係者)との声があった。