有料

自動車保険料上げ検討 損保大手3社 来年1月実施軸に


自動車保険料上げ検討 損保大手3社 来年1月実施軸に 損害保険大手3社の24年3月期連結決算
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 損害保険大手3社は20日、自動車保険の保険料の値上げを検討していると明らかにした。事故の増加や修理費用の上昇で採算が悪化しており、2025年1月の実施を軸に検討する。一方、3社が発表した24年3月期連結決算はいずれも純利益が過去最高だった。円安を追い風に海外事業の収益が伸び、保有株式の売却も利益を押し上げた。
 純利益は、東京海上ホールディングスが前期比85・7%増の6958億円、MS&ADホールディングスが75・0%増の3692億円、SOMPOホールディングスが約16倍の4160億円。
 売上高に当たる正味収入保険料も増え、中古車販売大手ビッグモーターによる保険金不正請求問題や企業保険のカルテル問題の影響は限定的だった。
 自動車保険料の値上げ検討は、3社が東京都内でそれぞれ開いた記者会見で説明した。SOMPO傘下の損害保険ジャパンは「本年度中に可及的速やかに実施する」とした。3社とも値上げ幅は今後詰める方針だ。
 東京海上は、取引先との関係強化を目的に持つ「政策保有株式」を29年度末までに全て売却する方針も示した。3月末時点の保有残高は約3兆5千億円。同業他社との適正な競争をゆがめ、カルテルの一因になったとの指摘を受けた。MS&ADは29年度末、SOMPOは30年度末までの全廃を既に公表している。