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長期金利上昇 一時1% 11年ぶり 家計・企業に負担増も


長期金利上昇 一時1% 11年ぶり 家計・企業に負担増も 長期金利の推移
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 22日の国債市場で長期金利が上昇し一時、前日より0・020%高い1・000%を付けた。2013年5月以来、11年ぶりの高水準。日銀が金融政策の正常化を早めるとの観測が高まったのが主な要因だ。金利の上昇で家計や企業活動の負担が増す可能性がある。
 日銀が国債購入額を本格的に減らすとの見方から、国債が売られて価格が下がり、金利が上がった。東京株式市場の日経平均株価(225種)は投資家の懸念を映し、前日比329円83銭安の3万8617円10銭と連日の下げとなった。
 住宅ローンの固定金利は長期金利に連動するため、住宅購入のハードルが上がりそうだ。企業が資金調達のために発行する社債の金利の基準にもなるため、設備投資の下押し要因になる可能性もある。
 一方で定期預金の利率が上がり、個人などが受け取れる利息が増える利点もある。
 長期金利は新発10年債の利回りが指標となる。現在は374回債で表面利率は0・8%だ。22日の通常取引は前日より0・015%高い0・995%で終えた。先行きは米国の金融政策や外国為替市場の取引に左右されるとの見方が多い。
 米連邦準備制度理事会(FRB)高官の間ではこのところ利下げに慎重な発言が目立つ。米国債が売られて米長期金利が上昇すれば、日本の国債取引に波及しやすい。為替相場で円安が進むと、日銀が政策正常化への対応を迫られるとの思惑から、金利上昇の圧力が強まる可能性もある。