有料

23年度実質賃金2.2%減 消費増税14年以来の下落幅


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 厚生労働省が23日発表した2023年度の毎月勤労統計調査(確報、従業員5人以上)によると、物価変動を考慮した1人当たりの実質賃金の月平均は前年度比2・2%減となった。マイナスは2年連続。消費税率引き上げなどの影響で2・9%減となった14年度以来の落ち込み幅だった。
 名目賃金に相当する現金給与総額は1・3%増の33万2533円で3年連続の増加だったが、円安や原油高を背景とする物価高騰に賃金上昇が追い付かなかった。
 名目賃金の増加率に対し、今回の統計に用いる消費者物価指数は3・5%上昇し、差し引きで実質賃金は減少した。22年度の実質賃金は1・8%減で下落幅が広がった。今回の2・2%減はリーマン・ショックが起きた08年度と同水準となる。
 現金給与総額の内訳は、基本給を中心とした所定内給与は1・3%増の25万3534円で、残業代に当たる所定外給与は0・3%減の1万9074円、主にボーナスが占める「特別に支払われた給与」は1・6%増の5万9925円だった。
 就業形態別は、一般労働者は1・7%増の43万8696円。パートタイム労働者は2・4%増の10万5989円だった。
 主要産業別では最も増加率が大きかったのは不動産・物品賃貸業で6・6%。金融・保険業4・1%、運輸・郵便業3・8%と続いた。鉱業・採石業はマイナス7・8%で唯一減少した。
 24年3月の実質賃金(確報)も公表され、マイナス2・1%だった。