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契約者軽視明らかに


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 不祥事が続く損害保険業界で、契約者の個人情報を軽視していた実態が明らかになった。保険代理店には大規模な自動車販売店など、100を超える店舗網を持つ企業もあり、損保各社にとって極めて重要な取引先だ。慎重に取り扱うべき情報を適切に管理できる態勢をどう整えるか、各社は代理店への対応が急務となる。
 今回の情報漏えいが起きた背景に、業界内からは「代理店が保険契約に関する業務を効率化したかったのでは」との声が聞かれた。代理店は契約満期を迎えたりした加入者の情報を損保各社に適宜連絡する。個別に連絡する手間を省くため、各社へ一斉にメールを送る習慣が根付いたとの見方がある。
 損保各社では、競合他社が新規顧客を獲得したなどの情報を得て、自社の営業活動の参考にすることも可能だった。情報には加入者の電話番号も一部含まれていたが、大手の担当者は「営業活動に使用した例は現時点で確認されていない」と説明する。