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トヨタ五輪協賛終了へ 最高位スポンサー、パリ最後 パラは延長希望


トヨタ五輪協賛終了へ 最高位スポンサー、パリ最後 パラは延長希望 五輪の主な最高位スポンサー
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 トヨタ自動車が、国際オリンピック委員会(IOC)と結ぶ最高位スポンサー契約について、今夏のパリ五輪を最後に終了する方向で調整していることが24日、分かった。2015年に結んだ契約を延長しない見通し。自社による直接的なアスリート支援やスポーツ振興に一層力を入れる。契約期間の最大のイベントだった東京五輪が終わったことで一定の区切りを付ける。複数の関係者が明らかにした。
 同時に期限を迎える国際パラリンピック委員会(IPC)との最高位スポンサー契約は延長を希望。ただIOCが一方だけの継続はできないとしており、協賛の在り方を模索している。
 契約終了の判断には、協賛金が競技の振興や選手の支援に十分に行き渡っていないという問題意識もあるとみられ、ビジネスを優先する五輪の商業主義に一石を投じる形になりそうだ。日本企業の五輪離れも浮き彫りとなった。
 トヨタは15年に自動車メーカーとして初めて五輪の最高位スポンサー制度「TOPプログラム」の契約を結んだ。契約額は非公表だが総額で1千億円を超えるとみられる。トヨタは24日、協賛終了について「当社が公表したものではありません」とコメントした。
 トヨタは創業期から人材育成の場としてスポーツに力を入れ、現在は野球やラグビーなど約30のチームを運営。五輪やパラリンピックの選手を多数抱えており、今後も日本の企業スポーツのけん引役としての役割を果たしていく考えだ。パリ大会では燃料電池車(FCV)「ミライ」などを3千台以上提供し、環境技術をアピールする。