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来春大卒の採用本格化


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 2024年春卒業の大学生の就職率が過去最高を記録する中、25年春卒業予定の大学生に対する採用活動も既に本格化している。就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートによると、内定率は今月15日時点で78・1%。企業が積極的に動くことは学生に有利といえそうだが、人材確保を急ぐあまり「学生の希望と仕事内容の不一致が起きかねない」と識者は警鐘を鳴らす。
 政府のルールでは、面接などの選考活動は6月1日解禁。だが、リクルートの調査によると、内定を受けた学生の59・4%が5月時点で既に複数社から内定を得ていた。獲得競争が激しく、ルールが形骸化している現状をうかがわせる。
 厚生労働省の担当者は「人手不足が深刻で、学生優位の売り手市場は今後も続く」と予測。
 ただこうした状況について、リクルートの就職みらい研究所の栗田貴祥所長は「企業と学生の相互理解が不十分なまま、内定が出ているケースもあるのでは」と危惧する。
 栗田所長は、仕事の内容や将来のビジョンを精査せずに入社すると、早期離職につながる恐れがあるとして「学生も企業も獲得競争の勢いに流されず、慎重な判断が求められる」と指摘した。