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外食7社、飲み放題継続 利用者の根強い人気背景に 厚労省の適正飲酒指針後も


外食7社、飲み放題継続 利用者の根強い人気背景に 厚労省の適正飲酒指針後も 外食7社の主な回答
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 健康障害の防止に向け個人に適正飲酒を呼びかけた厚生労働省の指針公表後も、大手外食チェーン7社が飲み放題メニューを継続する方針であることが25日、共同通信のアンケート集計で分かった。飲み放題は代金の元を取ろうとして、指針が避けるべきだとした短時間の多量飲酒につながり、危険性が高いとの指摘もある。利用客からの根強い人気を背景に、見直しには至っていない現状が浮き彫りになった。
 飲酒指針は2月に初めて公表された。対象は事業者ではないが、飲み方に影響する居酒屋やレストラン運営大手に対応方針を調査。その結果「庄や」を展開する大庄や「しゃぶ葉」のすかいらーくホールディングスなど全7社が今後の見通しとして飲み放題を「継続する」と答えた。
 継続の理由では「顧客の強い要望」のほか「集客に有効」「一定の客単価が見込める」といった意見が目立った。「鳥貴族」のエターナルホスピタリティグループ(大阪市)は飲み放題は続けるものの「外部環境(の変化)によって実施継続を見直す可能性がある」とした。
 一方、指針を受けた対応では「白木屋」を運営するモンテローザ(東京)が注文用端末に「多量飲酒」や「イッキ飲み」など避けるべき飲み方を表示。「はなの舞」のチムニーは指針公表後、全従業員にその内容を周知した。他にもメニューの純アルコール量記載やノンアルコール飲料拡充を挙げた社があった。
 指針策定に関わった筑波大の吉本尚准教授(総合診療)は「飲み放題は元を取ろうとしたり、ラストオーダーで高アルコール飲料を頼んだりする傾向がある」と指摘。2018年に大学生を対象に実施した調査では、飲み放題で酒量が2倍近くに増えていたという。「国際的には禁止の流れ。濃いお酒を外すなど店側の工夫が期待される」と話した。
 アンケートは他にワタミと物語コーポレーション(愛知県豊橋市)が回答した。