直径5ミリ以下のマイクロプラスチック削減に向け、山梨県富士河口湖町の企業が、水中の微生物に分解されるプラスチックで作ったルアー(疑似餌(ぎじえ))を開発した。バス釣りで人気がある河口湖では、水草などに引っかかり湖底に残ったルアーによる生態系への悪影響が懸念されていた。植物由来の原料のため、環境に優しいルアーとして全国への普及拡大を図る。
このルアーを手がけたのはホテル業などのT・S。同社によると、ABS樹脂など一般的なプラスチック製の場合、障害物に引っかかる「根がかり」で水中に放置され、回収が難しくなる。水中で劣化が進むとマイクロプラスチックになる。
同社が日本バスプロ協会(富士河口湖町)などと定期的に実施している河口湖の湖底清掃でも、ルアーが大量に回収されるという。そこで数年前から生分解性プラスチック製ルアーの開発に取り組み、3月オープンのSDGsまなび館(同)に、生分解性釣具・生活用品研究所を設立した。
開発したルアーは長さ11センチ、重さ13グラム。昨年行った実証実験で、計算上は5年ほど、最長10年で水と二酸化炭素に分解されることが判明した。
もみ殻を30%混ぜ込み分解速度を高めたタイプは千円、魚の色に似せて着色したタイプは1300円。全国の釣具店や、まなび館の他、協会のホームページで販売中だ。
(山梨日日新聞)
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環境優しいルアー開発 山梨の企業 全国普及へ
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琉球新報朝刊
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