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中国が7兆円ファンド 半導体供給網の構築加速


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【北京共同】中国政府が新たに半導体の国策ファンドを立ち上げたことが27日、分かった。過去に二つのファンドを設置しているが、今回の資本金は過去最大となる3440億元(約7兆4千億円)で、財政省や政府系金融機関などが出資する。米国の輸出規制に対抗するため先端技術の国産化を後押しし、独自のサプライチェーン(供給網)の構築を加速させる。複数の中国メディアが報じた。24日付で設立された投資ファンド「国家集成電路産業投資基金三期」には、財政省が17%、政府系金融機関である国家開発銀行の子会社が10%をそれぞれ出資する。ファンドのトップには半導体産業の育成を主管する工業情報省出身の張新氏が就いた。
 中国政府は2014年に同ファンドの第1期を設立、19年には第2期を立ち上げた。資金規模はそれぞれ約1400億元と約2千億元。半導体の受託製造会社から材料、製造装置のメーカーまで半導体関連の幅広い企業を支援してきた。
 米国は先端半導体の対中輸出規制を段階的に強化。半導体製造装置などを強みとする日本や欧州にも協力を求め、対中包囲網の強化を進めている。中国では通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)や国有半導体メーカーなどが技術開発を加速。習近平指導部は外国の科学技術に依存しない「自立自強」の経済体制の構築を急いでいる。