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熊本の地下水位 住民に情報共有 TSMC進出で


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が進出した熊本県は27日、工場周辺の地下水位を県ホームページ上で確認できるシステムを年内にも構築する方針を明らかにした。半導体生産には大量の水が欠かせない一方、熊本市を含む周辺11市町村は水道水源のほぼ全量を地下水で賄っており、水量減少に対する住民の懸念を和らげるのが狙い。
 県が設けた地下水保全に対応する推進本部の初会合で示した。システムの整備費約1千万円を6月補正予算案に計上する。年内に量産を始める菊陽町のTSMC第1工場は年約310万トンの地下水をくみ上げる予定だ。県は菊陽町と合志市にまたがり、半導体関連企業が集積するセミコンテクノパーク周辺に地下水位を調べる観測井戸を新設する。会合では、作付けの合間や冬季の水田に水を張って地下に浸透させる「水田湛水(たんすい)事業」の実施状況や、県と関係自治体が連携して半導体工場の排水を監視する体制なども報告した。木村敬知事は「地下水の量と質の双方にしっかりと配慮してほしい」と強調した。