２４年世界成長率２．６％　世銀、米けん引で上方修正

　【ワシントン共同】世界銀行は１１日、最新の経済見通しを公表した。２０２４年の世界全体の実質成長率は２・６％と、１月時点の見通しから０・２ポイント上方修正。減速が続いていたが、堅調な米国がけん引して３年ぶりに成長率の縮小が止まった。日本は０・２ポイント下方修正して０・７％とし、２３年の１・９％から減速すると見込んだ。
　欧米の中央銀行は高インフレを抑えるために２２年ごろから急激に利上げを進め、政策金利は高水準で推移している。高金利は消費や投資の抑制につながるため経済への悪影響が懸念されているが、全体としては底堅いと見込んだ形だ。
　世界全体の成長率は２５、２６年ともに２・７％と予測した。
　世銀は各国の中銀が利下げに慎重な姿勢を続ける可能性が高いとの見方を示し、「金利の長期的な高止まりは世界の経済活動を弱める」と指摘。中東などを念頭に、地域紛争の激化が貿易の混乱などにつながることを懸念した。