政府が21日にも閣議決定する規制改革実施計画の全容が17日、判明した。インターネットを通じて仕事を請け負う個人事業主(フリーランス)やギグワーカー(単発で働く人)が増える中、人工知能(AI)やコンピューターが配達ルートなどの業務指示を出した場合でも、発注者ら人間が指揮・監督の責任を負うことを明確にした。事故やトラブルが発生した場合の労働者保護を強化する狙い。
実施計画では「アプリやAI、アルゴリズム(計算手法)を用いた連絡や衛星利用測位システム(GPS)を用いた就業状況の把握など、(これまで)想定していなかったデジタル技術の扱いが不明確」として、責任関係が曖昧になるといった問題点を指摘した。
その上で「人間による直接の指示ではなく、AIやアルゴリズムによる連絡であっても、業務遂行上の指揮監督関係があると明確にする」と盛り込んだ。
現在、運行主体がタクシー事業者などに限定されているライドシェアに関しては「全国で広く利用可能とする」と明記。タクシー事業者以外の参入を広く認めるかどうかは賛否が割れており「法制度を含めて事業の在り方の議論を進める」との表現にとどめた。
このほかドローンを使った医薬品や食料品の輸送は、災害時など人命に関わる場合は国の許可が不要と明確化。また海外のスタートアップ(新興企業)誘致は、日本での起業に必要な行政手続きを英語で完結できるようにする。
社会保険手続きのデジタル化も推進する。マイナンバーカード取得者向けサイト「マイナポータル」で、年金受取口座の変更や年金生活者支援給付金の申請を可能とする。
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AI指示でも発注者責任 規制改革計画 フリー労働者ら保護
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琉球新報朝刊
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