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DBS法案 参院委通過 性犯罪歴確認、きょうにも成立


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴を雇用主側が確認する「日本版DBS」創設法案は18日の参院内閣委員会で全会一致により可決した。性犯罪が相次ぐ中、子どもの安全を確保するため学校や保育所などに確認を義務付ける。性犯罪歴がある人は刑終了から最長20年、採用されないなど就業を制限される。
 19日にも開かれる参院本会議で可決、成立する見通し。
 性犯罪歴がない人でも、雇用主側が子どもや親の訴えから「性加害の恐れがある」と判断すれば配置転換など安全確保措置を実施する。政府は今後、雇用主向けに制限の在り方や「性加害の恐れ」の判断基準などをガイドラインで策定する。
 性犯罪歴確認は、行政の監督の仕組みがある学校や幼稚園などに義務化。学習塾や放課後児童クラブなどは任意の「認定制」とする。国の認定を受けた事業者は確認の義務を負い、広告表示が可能となる。フリーランスの家庭教師ら雇用関係のない個人事業主は今回の枠組みから外れる。
 確認対象は有罪判決が確定した「前科」に限定。刑法犯のほか、痴漢や盗撮といった自治体の条例違反も含む。照会期間は拘禁刑(懲役刑と禁錮刑を2025年に一本化)で刑終了から20年、罰金刑は10年。
 ストーカー規制法違反や下着窃盗は確認対象の犯罪には含まれない。
 参院内閣委は付帯決議も採択した。確認対象拡大の検討の他、性被害から身を守るための知識を得られるよう子ども対象の教育の充実を求めた。加害者の再犯防止に向け、適切な治療や支援を受けられる環境整備の必要性も指摘した。