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生成AIで「地域課題解決」 雇用のミスマッチ、離島医療にデータ活用 グーグルと東大教授 各県ごとに開発へ


生成AIで「地域課題解決」 雇用のミスマッチ、離島医療にデータ活用 グーグルと東大教授 各県ごとに開発へ 生成AIを活用する取り組みについて説明する松尾豊東大教授=19日、東京都渋谷区
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 米グーグルは19日、東京都内で最新技術の発表会を開き、労働力人口の減少など地域社会が抱える課題の解決に生成人工知能(AI)を活用する取り組みを始めると発表した。AI研究の第一人者として知られる東大の松尾豊教授と連携し、大阪府と広島県から先行実施する。2027年までに47都道府県それぞれの課題に特化した生成AIモデルの開発を目指す。
 生成AIモデルの開発では、松尾教授の研究室のコース修了生とグーグルの技術者が協力する。大阪では、求職者が希望する職種の偏りなどによる雇用のミスマッチの解消を目指す。グーグルによると、離島の医療体制整備のほか、農林水産業の省力化にも活用できる可能性がある。
 雇用のミスマッチ解消では例えば、求職者本人が適性に気付いていないような職種や、将来就きたい仕事への理想的な道筋を示すことを想定している。ハローワークなど既存の機関と比べ、インターネット上のデータから提案を導き出す。
 広島での取り組みは今後協議する。湯崎英彦知事は発表会に登壇し「AIで未来を切り開くことを宣言したい」と述べた。生成AIを使えば、移住の相談にきめ細かに対応できるのではないかとの見方を示した。
 松尾教授は「(生成AIの活用を)うまくやれば日本にとって大きなチャンスだ」と指摘した。
 大阪府の吉村洋文知事はグーグルのクリス・ターナー副社長と府庁で面会した。面会後、記者団に「離職率を下げて、一人一人の生産性を高める。生成AIの技術を使って(課題を)解決していきたい」と期待感を示した。