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じもとHD、国管理下に 24年3月期 業績悪化で無配当


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 きらやか銀行(山形市)と仙台銀行(仙台市)を傘下に持つ、じもとホールディングス(HD)は20日、同市で株主総会を開いた。2024年3月期の期末配当が業績悪化で無配当となり、優先株を持つ国が過半数の63%の議決権を取得。株主総会の開催をもって実質的に国の管理下に入った。幹部人事の承認などに国が関わることになる。
 公的資金の注入に伴って優先株の株主となった国は、普通株より優先的に配当を受ける代わりに議決権を持たないが、無配となった場合は一時的に議決権が発生する取り決めになっていた。
 じもとHDによると、国が取得した議決権は63・52%。今後、復配となれば国の議決権は失われ、管理状態は解消される。ただ25年3月期の配当方針は未定で、解消見通しは立っていない。
 業績悪化の主な原因はきらやか銀で取引先の経営破綻が相次ぎ、倒産に備えた費用が増えたため。取引先への審査や融資後の監視が不十分だった責任が問われている。 じもとHDは24年3月期連結決算の純損益で、過去最大となる234億円の赤字を計上。