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事業再生、関係機関連携を 那覇 弁護士、専門家ら意見交換


事業再生、関係機関連携を 那覇 弁護士、専門家ら意見交換 事業再生支援の連携について意見を交わす登壇者ら=21日、那覇市の県男女共同参画センターてぃるる
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 中小・小規模事業者の経営相談に対応する県よろず支援拠点による「地域支援機関連携フォーラム」が21日、那覇市の県男女共同参画センターてぃるるで開かれた。コロナ禍からの事業再生支援をテーマに専門員や弁護士、金融機関の関係者らが意見交換した。財務分析や事業承継の必要性、後継者育成、金融機関との交渉など、課題が多岐にわたることから、困難を抱える事業者への早期接触や関係機関の連携の必要性を確認した。
 県よろず支援拠点の金城力氏は事例報告で、赤字体質だった菓子製造企業を承継した経営者が3期連続で黒字を上げたものの、設備投資目的の新規融資を受けられなかった事例を説明した。
 承継前の累積赤字で債務超過となり、保証協会が金融機関に代位弁済していたことが理由。赤字店舗の閉鎖や経営改善計画を策定して金融機関と交渉し、代位弁済の求償権消滅と沖縄振興開発金融公庫から資本性劣後ローンの融資を受けたと対応を説明した。
 県中小企業活性化協議会の統括責任者補佐の大島優樹弁護士は、営業赤字が継続し、事業再生も厳しかった企業について、事業整理の影響を最小限にするために、事業承継先を見付けた上で法人としては破産し、事業と雇用は別法人に引き継いだ事例を紹介した。「関係機関の連携がスムーズに進み、迅速で適切な支援へつながった。早期対応で選択肢が広がる」と強調した。 (島袋良太)