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損保大手の監視強化提言 有識者会議 処分権限持つ機関も


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 不祥事が相次いだ損害保険業界の改革を議論する金融庁の有識者会議は25日、損保大手や大規模代理店への監視強化を提言する報告書を公表した。代理店の処分権限を持つ自主規制機関の設置や、国による損保や代理店への立ち入り検査で実態を把握する必要性に言及。「国民からの信頼を早急に回復し、健全な競争環境の実現を強く期待したい」と指摘した。
 有識者会議は、中古車販売大手ビッグモーター(東京)の保険金不正請求や企業向け保険のカルテル問題を受けて設置された。学識経験者や弁護士らで構成されている。
 報告書では、不祥事が続出した背景には損保各社が顧客の利益よりも自社の利益を重視したことや、代理店の指導ができていなかったことを挙げた。
 損保各社に保険料収入をもたらす代理店の力が強くなり、損保が自社の保険を優先的に販売してもらう見返りに代理店側から物品を大量に購入したり、代理店に従業員を出向させたりするなど関係がゆがんでいた。
 報告書では、損保各社による代理店側からの物品購入や従業員の出向などの過度な便宜供与の解消を求めた。
 金融庁は報告書に盛り込まれた自主規制機関について、法的な位置付けを明確にするため、保険業法の改正を視野に入れている。